趣味でやっている電子工作をメインでまとめていきます.

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いつも電子部品買うところ

 ここのところ仕事が忙しくて実験してないので,いつも電子部品を買ってるところを紹介したいと思います.

 最近近所で見かけたi8,もともとコンセプトカーとして作られ,MI:ゴーストプロトコルに登場して注目されたことで市販されるようになった車ですね.
 ここで出してる車はほとんど映画かInstagramで見かけた車ばっかりですね.映画の話はネタが尽きたら書いてこうと思います.

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BWM i8


目次

秋月電子通商

 さて,まず最初に紹介するのは,秋月電子です.

akizukidenshi.com

 電子部品を実際に買いに行くとしたら,首都圏ならまずここが上がるんではないでしょうか?RCL などの基本的な部品を取り揃えているのはもちろんのこと,センサーやマイコン半導体IC などの専門部品の種類が豊富なところも魅力的です.そんな品揃え豊富な秋月で僕がおすすめしたいのは,コネクタやSWなどの変換基板です.
 例えば,USBDIP化基板はサンハヤトで買うと1000円くらいしますが,秋月だと今のところ一つ100~300円くらいで Type-C から Mini,Micro まで幅広いコネクタの変換基板をそろえることができます.もちろんコネクタだけではなく,ユニバーサル基板には実装できない特殊形状のSWや表面実装ICなど,いろいろな変換基板を取り扱っています.はんだ付け性も良好なので,SSOP のはんだ付けも難しくはないと思います.
 他にも,Arduinoのシールド基板やラズパイの拡張ボードなどの学習用機材や,キットなどもたくさんあるため,これから電子工作を始めようと思っている方,ビギナーの方にお勧めです.
 
 難点を上げるとすれば,抵抗の R24系列,数k~数百kの間にも抜けてる値があったり,コンデンサもすべての値がそろっているわけではないです.ただし,この辺は歩いてすぐの千石電商でカバーできるので,実際に買いに行く場合はそんなに気にする必要はないと思われます.また,部品はパッケージに入っておらず,むき出しのままの部品も多いので,フィルムコンデンサを全部10個ずつなどの買い方をすると,会計にめちゃめちゃ時間がかかります.そういうときはおとなしく通販で買いましょう.

 お店自体は,秋葉原の裏通りにあります.ビックカメラの交差点より秋葉原駅よりなので,秋葉原駅から歩いていくならそんなに遠くはないと思います.ただ,秋葉原の裏通りにあるので,お店自体がかなり狭いのに加え,お客さんもたくさんいるので,ゆっくり品物を選ぶ時間はほとんどないと思います.ビギナーにお勧めとはいっても,最初はネットで買うか,あらかじめ購入部品リストを作って行った方がいいと思われます.最近は部品のページから商品の置いてある位置が確認できるようになったので,小さめのタブレットスマホを持っていくと便利だと思います.お店の中に入って右真ん中くらいに浅いザルと小物入れがあるので,これを買い物かごの代わりにして商品を入れていきます.右手手前がキットや工具,拡張ボードなどで,右奥がICやソケット,変換基板やRCL,左が半導体やSW,センサになっています.レジは入ってすぐの左手と,一番奥の2か所にあります.

 余談ですが,技能検定やはんだ付け練習で愛用されている秋月基板,僕的にはランド剥離を起こしやすいので,ぜひサンハヤトICBシリーズも検討していただきたいです.若干コストが上がってしまいますが,剥離耐性が強いのと,はんだの濡れ性が良好なので,はんだ面の見栄えやショート・断線防止につながります.大きさ的にも,A基板は ICB-96,B基板は ICB-293,C基板は ICB-288 とほぼ同じものがあるので,移行もスムーズに行えるかと思います.ここで紹介する店舗だと,千石とマルツで買えるので,ぜひ一度使ってみてほしいです.

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千石電商

 次はそのすぐ近く(1~2軒横)の千石電商です.

www.sengoku.co.jp

 千石電商は何店舗か秋月にありますが,ここで紹介するのは主に本店になります.ほかは,LEDライトや各種ケーブルなど,どちらかというと電化製品に近いラインナップになっているので,電子部品を買いに行って立ち寄ることはあんまりないと思います.
 さて,そんな本店は,地下1階と地上1~3階の計4フロアに分かれています.主に行くのは,基本パーツの売っている地下1階ですが,1階ではシングルボードコンピュータや工具類,2階ではコネクタやSW,ボリューム,3階ではギヤやモーター,LEDを取り扱っているので,ここだけでほしいものをだいたいそろえることができます.
 さて,そんな千石電商でも特におすすめしたいのが,地下1階の基本パーツ売り場です.僕はアナログ回路を組むことのほうが多いのですが,アナログ回路を組んでいるとどうしても10kや100k以外のR24系列が必要になってくる場合があります.もちろん抵抗だけでなく,フィルムコンデンサなどのコンデンサでも同じです.ですが秋月電子だと,よく使われる抵抗値やコンデンサなどしか置いておらず,どうしても取りそろえることができない場合が出てきます.ですが千石電商なら,炭素被膜抵抗はもちろん,金属皮膜やセメント抵抗など,幅広い種類の抵抗で,ほとんどの値をカバーしているので,まず見つからないR24系列の値は無いんじゃないかなと思います.コンデンサについても,積セラからフィルム,ポリエステル,アルミ電解と,手に入れるのが難しいコンデンサも格安で販売しているのでかなりおすすめです.

 ただし,その分マイコンなどの半導体は比較的少なめなので,そこは秋月と使い分けるとよいかと思います.

 ここも秋月電子と同じで,ザルやトレーに商品を入れていく感じになります.お店も秋月ほどの込み具合ではないので,比較的ゆっくりと商品を見ることが出るんじゃないかなと思います.注意点は,フロア会計になるので,商品の置いてある階のレジで会計するようにしましょう.

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aitendo

 次はaitendoですが,ここはほぼ電子工作ガチ勢しかたどり着けないんじゃないかなと思います.

www.aitendo.com

 その理由は,他の店舗と違って,店先に看板などが存在してません.雑居ビルの2階です.また,店舗自体も秋葉原駅からはるか遠く,ほぼ御徒町駅との中間地点に存在するので,かなり遠いです.

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ストリートビュー

 マップで検索すれば場所自体はすぐにわかりますが,実際に行ってみるとどこから入ればいいかわからないと思います.実はここの赤枠が入り口で,奥のエレベータで2階へ行くと部品売り場に行くことができます.秋月や千石などの電気街にある部品店に比べると,雰囲気も店舗の感じも全く違うので,そういう雰囲気に慣れていると余計に戸惑ってしまいますね.

 そんなaitendo,入り方が一見してわかりにくい&遠いので,店内はかなり空いています.また,店内にPCや部品位置検索用のタブレットがおいてあり,かなり使いやすい感じでした.ただその代わり,他のお店と違って女性の店員さん(男性は見たことないですね...)は基本的な日本語と中国語しか話すことはできなさそうなので,店員さんに部品の場所を聞いたりすることは難しいと思います.もしかしたらできるかもしれないですが,僕は聞いたことないです.
 売ってるもの自体は,他のお店とそんなに変わりはありませんが,大きな違いとして,よく分からない中国産のパーツがたくさん置いてあります.サイトを見てもらえるとわかりますが,データシートや技術資料などが一切ないものもざらにあります.僕はここでTFT液晶を買って,資料が見つからずに諦めたことがあります.なので aitendo では半導体ICやモジュールを買うことはあんまりお勧めしないです.ロジックICや既存ICの互換品ならまだしも,よくわからないICに手を出すと穴にはまって苦労すると思います.
 ならなにがおすすめなのというと,aitendo では是非 LED を見てほしいです.サイトに行くと気付くと思いますが,LED などの光物のラインナップがかなり豊富です.特に,平たいLED(10バーLEDの各ドットが分離したような形状)は,秋月でも最近取り扱い始めましたが,それと比較するとほぼ半額くらいの値段で買うことができます.また,特殊表示LED もいろいろあるので,気になった人は見に行ってみるといいかと思います.

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マルツ

 最後はマルツです.マルツは,AKB劇場とかあの辺にあるので,まぁごはんついでによるとちょうどいいかと思われます.

www.marutsu.co.jp

 マルツは2フロア有って,1階がパーツ・工具・ケーブル売り場,2階がシングルコンピュータ売り場になっています.まぁあまり2階に行くことは無いんじゃないかと思います.ほとんど1階にあります.さて,そんな1階の奥の壁面に,パーツの入った引き出しがあります.ここはほかの店舗と違って,個包装されているので,たくさん買ってもばらけたりすることは無いんじゃないかなと思います.ただ単価が割と高めなのと,基本的な部品はほかの店舗のほうが種類が豊富なので,あまりたくさん買うことは無いんじゃないかなと思います.

 そんなマルツで僕がおすすめしたいのは,半導体ICと,SW類です.僕はSWや半導体IC,サーメットトリマのブランドには一家言ありますが,ここマルツにはSWのイチオシ,NKKブランドのSWがそこそこの種類取りそろえられています.ほかの店舗にもあるにはありますが,基本的なトグルスイッチしか置いてなかったりと,あまり充実したラインナップではないです.その反面,マルツにはトグルをはじめ,スライドやロータリなどのさまざまな種類がおいてあるので,これには僕も大満足です.あと,意外と気付かないかもしれませんが,上のほうに1608のチップ抵抗がかなりのバリエーションで存在しているので,プリント基板にパターン起こして,ちょっと製品化っぽくしたいとき,RSでほしい抵抗値が最小購入単位5000だったり,秋月でリール売りだったり,売ってるところが個人販売NGでンギィィィ!!ってなることは無いんじゃないかなと思います.半導体は,SOP・DIP問わず,ロジックICとオペアンプトランジスタなどを幅広くそろえています.ただ,PICなどのマイコン類は,やっぱり秋月には勝らないかなと思います.逆に,秋月にはないキットなども置いてあるので,一度訪れてみると面白いと思います.

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あとがき

 この4店舗をハシゴすれば,そこそこの運動と基本的なパーツを手に入れることができるんじゃないかなと思います.各店舗,長所と短所があるので,うまく使い分けることが電子工作ガチ勢への近道だと思います.

 実はここにあげていない店舗にも行ってはいます.ただし,他のところは割高だったり,ディスコン品ばかりだったりと,結構厳しい状況のところも少なくないです.

 昨今の半導体業界は,CPUプロセス〇〇nm!とか,電気自動車用IGBT!など,様々な進歩を実感することができます.その反面で,ダイの小型化やオートリフロー技術の発展による部品の小型化,必要な機能に絞って部品サイズを極限まで抑えて専用IC化,それに伴った高額化などが進み,どんどん個人で始めるには厳しい状況になってきていると思います.
 また,以前はソフトウェアのほうが,PCやソフトウェアのライセンス料など始める敷居は高かったですが,今は一家に一台PCの時代.それに加えて,超高機能のフリーソフトの登場,人工知能機械学習技術の発展,スマートフォンの普及などの影響で,個人でもアプリなどをリリースして商売できるようになったため,ソフトウェアの敷居が大きく下がり,基板部品機材測定機器流通経路販路...と,初期費用がかかるハードウェアは陰りが見えるように感じます.個人でもプリント基板を作って販売できるところはありますが,はっきり言って市販されているものに品質・価格ともに勝るものを作るのは専門知識や技術などが必要になり,なかなか難しいと思われます.

 最近はArduinoやWROOM32,ラズパイやSTM32など,シングルボードコンピュータがハードウェアとして主流になってきているようにも思います.これらはソフトウェア要素も強いので,ハードウェアと呼ぶかはわかりませんが,そんな環境の変化の中で従来のハードウェア設計士は知識や環境のアップデートをしていかなければならない.常々そう感じている次第であります...

 私は自動車業界なので,他の業界ではそんなことないぞ!!とお叱り・反論のお言葉も多いかと思います.その際は,コメント欄にて教えていただけると幸いです.