趣味でやっている電子工作をメインでまとめていきます.

回路やプログラムは流用していただいても全く問題ありませんが,それによって生じた事故・障害その他損害については一切責任を負いかねますのでご留意ください.

高周波三角波発振回路の作成#1

 今回は,なぜ高速オペアンプを使うのか,なぜ三角波が必要なのかを説明していきたいと思います.

 ちょっと話題外れますが,前回の投稿でサムネイルには記事で一番上の画像が使われるっぽいことに気づいたので,サムネイルをかっこよくするために毎回イチオシの車を紹介していこうかなと思います.

 今回は Mclaren senna です.Mclaren に限らず,高級車のサイトって結構凝ったデザインで重いイメージがありますが,やっぱあれですかね,サイトに訪れる時点で回線貧民を振り落としているんですかね.
 Mclaren は,僕が一番好きなブランドです.世の中だと,Ferrari だったり Lamborghini がスーパーカーの王道のイメージがありますが,Mclaren もかっこいいので皆さんにももっと知っていただきたいですね.ちなみに購入には審査があるそうですよ.ディーラーに札束抱えていっても売ってくれないらしいです.

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Mclaren senna


 さて,スイッチング電源とひとくちにいっても,いくつかの種類があります.ソフトスイッチングだったりハードスイッチングだったり,ダウンコンバータだったりアップコンバータだったり,動作の仕組みだけでもそこそこの数がありますが,今回はその中から,ソフトスイッチングで動作するダウンコンバータを作成していきたいとおもいます.
 回路の動きを簡単に説明すると,PWM信号を MOS-FET に入力し,出力をコンデンサで平滑化させて得た電圧値をフィードバックして,MOS-FET をスイッチングする PWM信号の Duty比を調整していきます.そんなに複雑ではないので自作できそうですね.

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Block Diagram
 それでは詳しく回路を見ていきます.MOS-FET は,ハーフブリッジ回路を構成し,ハイサイドONでコイルへ通電,ローサイドONでコイルの自己誘導を発生させ,逆起電力を出力させます.コンデンサは平滑用なので,なるべく直列抵抗成分が低いものがいいですね.また,リプル率などのノイズに対する点から必然的に大容量・高耐圧になるので,多分高分子コンデンサなどに行きつくと思われます.
 残るブロックはPWMジェネレータブロックですが,今回は PICマイコンと,タイトルにもあるように高周波三角波発振回路を用いて実現しようと思います.
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使い方によってはレガシーICも活躍するかもしれない
 では,どうやって PIC と三角波から PWM信号を生成しましょうか?PWM信号を生成する際,一般的には2種類の方法があります.一つは,PIC に内蔵されている ECCP機能のようにタイマーとカウンタを組み合わせて一致割り込みで出力を反転させる方法.もう一つが,アナログ入力と三角波をコンパレータで比較し矩形波に変換する方法です.前者はPIC 内部のバスからアクセスでき,簡単に Duty比や周期,スイッチングのデッドタイムなどを変更することができます.しかし,PIC の動作クロックがボトルネックとなってしまい,あまり高い周波数に設定することができません.超高周波数動作のマイコンを使えば解決しますが,いくら趣味の工作とはいえ,電源回路に高価なマイコンを使用する気にはなりませんよね.それに対して後者の三角波を用いた PWM生成は,高周波三角波さえ入力することができれば PIC の限界値を大きく上回る周波数の PWM信号を出力することが可能です.また,回路の構成部品が,コンパレータとオペアンプ,抵抗とコンデンサのみなので,部品価格も抑えることができます.なので今回は後者の回路を用いることにします.閾値付近でのチャタリングや波形の歪みなどがこの回路の問題点になりますが,今回は PWM信号の生成のみでそこまで精度は求めていないので無視して進めます.

 それでは次回から高周波三角波発生回路の設計を行っていきたいと思います.